【Floor_09】

・・・スーマールの僧侶どもだ!
急な事で、彼らも面食らっている。先頭にいた者以外は皆、緑色の衣を着ている。
そして集団の先頭にいた白い長衣を着た者が金切り声で叫び始めた。
「で、出あへぇ〜〜!」
その一番前にいた男は守衛を呼び叫けび、後ろの者をかき分け逃げ出した。
その瞬間、ギルの体が彼らに向かって走り寄った。
何も出来ずに立ち止まったままの者が、ギルの手によって一人切り伏せられた。
他の僧侶達も慌てて逃げ始めた。
「バビリムの賊徒がまた入り込んでおるぞ〜!衛兵〜を呼べ〜!」
僧侶達は懸命に衛兵を呼んでいる。
更に一人・二人と切り込んだところへ、ギルの目の前でいきなり幾つかの火柱が立ち上った!
「うわ!なんだこれは!!」
炎で通路の先が見えない。
「逃げられたか・・」


数秒の後、ようやく炎が治まった。しかし、目が周りの暗さに慣れない・・。
しばらくして、なんとか通路がまた元通り見える様になった。僧侶達はもういない。
辺りを見渡すと、壁に筒状の穴が幾つかあり至る所に仕掛けが施されている。
「炎の仕掛けはこれかぁ・・気を付けなければ黒焦げにされるな・・」
そこへ、また甲冑を身に付けた者の足音が聞こえて来た。
”ガシャガシャ”

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