【Floor_07】

階を昇って行くと、また例の生き物が現れ、ギルに目掛けて襲ってくる。
ギルは素早く右手で剣を抜き、そのまま撫(な)で切る。赤い生き物が見事に宙で二つに割れた。
「!」
ギルは手にする感触が違うのを感じた。
「なんて切れ味だ!しかもとても軽く感じる。まるで全く別の剣の様だ・・」
そして、襲い来る敵を2・3と蹴散らした。
ギルは灯火の当たる光の中で、その白く目映(まばゆ)い剣をまじまじと眺めた。反射した光がギルの顔を照らす。
「すごい、これなら何とかなるな・・」
ギルの目が活き活きと輝きだした。
しばらく剣を眺めていた。剣に映った額には、烙印の痕(あと)が在った。
ギルの表情が曇った。
そこへ、人の気配が近づいて来た。

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