【Floor_05】

鈴の音が鳴り響く。ローブの男は術を唱えだした。
「マーラムノオタバーラ・・」
そして、目を光らせた瞬間、妖しい光と共にギルを衝撃が襲う。
「うわぁぁ〜!!」
ギルには防ぐ手立てが無い。眼前が白い光に包まれ、ギルは苦痛の中で意識が遠のき、床に膝を着き倒れそうになる。
そこへ、ローブの声がギルを諭す。
「心じゃ、心を強く持ちなさい。そして偉大なる神の力を信じなさい。さすればどんな術にも屈する事は無い」
「術・・、心・・」
言葉を続けようとしたが、それは止めて代わりに諦めの苦笑いを浮かた。
「私はカイの様に信心深くない‥こんな所でバチが当たったかな・・」
ギルの意識は朦朧とし、床に倒れ込んだ・・。

幾らか時間が過ぎたのであろう、静かな部屋の寝台の上でギルは目を覚ました。
疲労感は残るが体は無事であった。

▲一つ戻る ▼進む