【Floor_03】

そして青い武者は、斧を振り上げた。
「なっ!」
斧がギル目掛けて振り下ろされる。
ギルは間一髪、その攻撃をかわした。
「どう言う事だ近衛兵!巫女カイをお守りしろと命じたはずなのに、巫女は何処にいる!そして・・」
更に武者の攻撃が続く。
「何故私の命を狙う!?今お前が刃先を向けているのは、バビリム国王マーダックの子、ギルガメッシュであるぞ!血迷ったかぁ!」
ギルの声を聞いても青い武者は全く気にせず攻撃を続ける。まるで魂の無い者の様に・・。
兜の下の顔が明かりに照らされ、武者の素顔を見る事が出来た。それを見たギルは血の気が引く戦慄を味わった。
「人間じゃない・・」
兜の下に見えるのは、恐ろしい形相。武者はすでに絶命しており、生ける屍としてこの塔に彷徨っていたのだ。
通路の奥に追い詰められたギルは、次に来る攻撃を素早くかわし、鞘から剣を抜く。
その瞬間、斧を持つ武者の右腕が黒い血を噴出しながら宙を舞う・・
そして間髪を入れずに、胴に突きの一撃。武者の体を貫通した。
剣を武者の体から引き抜く。武者の体は一度天井を向き、そして膝からどっと倒れた。
「!!!」
が、ギルは大変な事に気付いた。剣は、敵の腹部の継ぎ目を狙ってのモノでは在ったが、敵の鎧を貫通した時の衝撃によって刃こぼれを起こしていた!
「しまった・・。こんな事では、この先どの様に突き進めば良いのか・・」
ギルが不安顔で意気消沈していると、そこにローブの男が現れた。

▲一つ戻る ▼進む